ロボットによる業務自動化の普及は時間の問題か 写真/産経新聞社
「AI技術を持つ企業やソフトバンクなどと業務提携を拡大しており、関連銘柄の上昇を牽引する“リーディングストック”になることは間違いない。ITバブルのヤフーのような存在」(藤井氏)
ただし、同社は最低投資金額が200万円近くとハードルが高いので、恩恵を受ける別の企業に投資する手もある。注目は、RPAホールディングスの子会社と業務提携したクラウドワークス(3900)だ。
「企業から業務を請け負って在宅ワーカーに代行させており、この提携で情報収集や加工、集計などの定型業務をRPAに代行させる新サービスを提供するようです。RPA関連に加え、働き方改革によるフリーランスの市場規模拡大の恩恵も受けられる銘柄」(同)
一方、飯村氏はICタグやセルフレジなど業務効率化に関連する銘柄に注目する。
「2月に経済産業省がファミリーマートなどと連携し、客が自分で会計する無人レジの実証実験を実施しました。3月にはセブン-イレブンが検品作業にICタグを活用し作業時間を大幅に軽減したことが報じられ、無人レジやICタグを手掛ける企業の株価が急伸しています。大手コンビニ5社は’25年までに全商品にICタグを貼り付ける目標を掲げており、中長期的にも有望な分野です」
その筆頭格が、小売・流通向けシステム開発のヴィンクス(3784)だ。無人店舗向けのレジ技術開発に取り組んでおり、今年に入って株価は3倍を超える上昇を見せた。
カード専業メーカーのカーディナル(7855)にも注目だ。ICタグ分野を強化中で、中長期的な株価上昇も期待できるという。
ただし、この2社はすでに相当人気化しており、株価は過熱ぎみだ。さらなる上昇を狙って上値を追うのもアリだが、高値摑みを避けたいなら、出遅れ銘柄の一角であるサインポスト(3996)が狙い目だという。
「無人レジの展開のほか、顔認証や電子マネーと紐づけて、決済ゲートの通過だけで精算できる、完全スルー型レジシステムの開発を進行しています。足元の株価は冴えませんが、今後資金が流入してくる期待は十分あります」(飯村氏)
働き方改革そのものは、アベノミクス相場の定番となった投資テーマではあるが、RPAや無人レジ関連に注目が集まってきたのはごく最近のこと。相場はまだ始まったばかりだと藤井氏は言う。
「産業構造を劇的に変える可能性もある分野で、今後も関連ニュースが出るたびに買いが集まったり、テンバガーが続出する大相場が始まる可能性もある」