コンビニ+驚きのコラボも!「異業種一体型店舗」に挑むファミマ、その成否は?

スーパー、書店、CD店…裾野広げるファミマ+◯◯

 ドラッグストアとの連携で「異業種一体型店舗」の運営ノウハウを得たファミマは、さらなる異業種コラボを積極的に進めた。なかでも近年出店数を伸ばしているのが、各地の書店やCD店との一体型店舗だ。

仙台市青葉区にある書店「リブロ」とファミリマートの一体型店舗。かつてはリブロ、ファミマともに西武セゾングループに属していた

 具体的に挙げると、ポイントカード事業でファミマと提携関係を結ぶ「TSUTAYA」(フランチャイズ店舗含む)やファミマと同じ西武セゾングループ発祥の「リブロ」をはじめ、ワンダーグー(茨城県つくば市)、西村書店(兵庫県加西市)、啓文社(広島県尾道市)などの地方チェーンがファミマ一体型店舗の展開を進めている。  本屋やCD店はいずれも出版不況により元気がなく、“逆境”を跳ね除けるため売場の一部を減らしてコンビニの集客力を借りるという「捨て身の覚悟」をおこなっているのだ。

CD・DVDレンタル業の不振が伝えられているTSUTAYAも、既存のCDなどの売場を減らす形でファミマとの一体型店舗を増やしつつある

 こうした異分野とのコラボ店舗は、これまでコンビニのライバルであったミニスーパーとの“呉越同舟”も生んだ。  2017年12月現在、都市部におけるコンビニとミニスーパーとの一体型店舗はユニー・ファミマHD傘下の「ミニピアゴ」(横浜市)をはじめ、関東地場の「カスミ」(つくば市)、多摩エリア地場の「カネマン」(瑞穂町)、関西大手の「イズミヤ」(大阪市)、そして国境を超えて台湾の「天和鮮物」(台北市)など広がりを見せつつある。

ファミマとミニスーパーのコラボ第一弾となった「ファミリーマート+イズミヤ」

 通常はライバル関係にあるミニスーパーとコンビニだが、スーパーは生鮮・惣菜部門に、コンビニは加工食品や印刷・支払サービス、営業時間などにそれぞれ強みを持っており、その優位点は互いに異なる。そこで、ファミリーマートはファミマの売場をベースに、ライバルであるスーパーの力を借りてスーパーマーケットが得意とする生鮮食品や惣菜の売場を設けた一体型店舗の出店を提案。スーパーが存在しないものの土地の余裕が少ない駅前など、スーパー単独では規模が大きすぎコンビニ単独ではニーズに応えきれない「コンビニ以上スーパー未満」が求められる地域に展開することで、商圏の隙間を埋めている。

埼玉県白岡市のJR白岡駅前にある食品スーパー「カスミ」との一体型店舗。カスミはイオングループで、本来はライバル関係にある企業だ

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不発に終わったたコラボも……
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