例えば、このやりとりなど、その典型だろう
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池田:あの~、この前も理事長もあの~、【売り払い処分】に関してはある程度、酒井さんに、先生にお任せされていますし。
籠池:(小声で)うん、してもらってるなぁ。
池田:まぁ、金額の算出に関しては、国民に対してちゃんとやってくれっていう話で、おっしゃられているので。その、どういうふうなものを引くかとか、あんまりその中身の話しを申し上げても、最後は実際の金額「いくらやねん!」っていう話しだと思うので…。
籠池:そうや!
池田:そこをバシッとこう、ご提示して。僕ら、何を考えるかっていうたらやっぱり、事業のいわゆる資金繰りであるとか、まぁ副園長もおっしゃられていた「授業料ちょっとでも土地が安かったら、え~、やす、やす」
籠池:安うしたの?安うしたのか~(笑)。
池田:「安うしたいねん。」という話しの中で、いわゆる提示させて頂いた土地の取得価格をもって、事業計画、資金収支を計算して頂いて。それが、あの、シミュレーション的に成立するかっていう判断をしてもらうということが大事やな、と思っているんですよね。
籠池:うん。
池田:だから、あの、まずはもう言ったら来月早々には、金額をご提示させて頂くので、それでご判断頂きたい。
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近畿財務局の池田統括官は、明確に、土地価格を財務省側から「バシッとこう、ご提示して」と発言している。しかもその金額にもとづいて、籠池夫妻側が「事業計画、資金収支を計算して頂いて。それが、あの、シミュレーション的に成立するかっていう判断」をしてもらいたいのだという。つまり「土地の値段は財務省側で算出する。そして算出する値段は、今後の小学校経営に合致するような形に落ち着く」と池田統括官は言うのだ。
もうこの箇所だけでも、この2月以降、財務省の佐川理財局長(当時)が国会で答弁してきた内容と完全に矛盾することが明らかだろう。
さらに財務省は便宜を図ろうとする。
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池田:で、あの、現在、月額の使用料っていうのが227万5千円、月額で頂いております。で、すいません、本当に鑑定士から最終的な鑑定報告をもらってないので、あの~、数字は出来てないんですけれども、ええっと…、延納の手続きをとった時に、何割か、
三好:ん、えーと2割以上。
池田:2割以上。
三好:2割以上を納めて頂いて、後は分割払いという、以前ご説明した方法というのがあの、国有地の分割払いで買うみたいな方法ですね。以前ちょっと、そんな話しもしたことがあったと思うんですけど。最初に2割ぐらいを入れて、あとMAX10年で後の8割を返すみたいな。まぁ、ざっくり大雑把に言うとそんなやり方もあると…。
籠池:うん…。
三好:ええ、ということで。
籠池:10年の~、分割払いをすると。う~ん、分割払いをしたら、それはしかし、そんなことをしたら、
池田:あの、そこは、シュミレーションです。で、それでやった時に、結構、劇的に月額の負担料は安くなる。
三好:ていうか、年間2700万円以上で頂いてて、なおかつ払い続けてもそれを全部を(聴取不能)ですけど、
三好:まぁ返納でやると、トータル的には残り8割を10年で割って返したら、まぁ、その段階でもう全て土地代も全て終わりますから、まぁご負担も減って、今の(聴取不能)は減るとは聞いています。
三好:そこはあの、
籠池:その間はどこの土地なの?
三好:それはあの、担保。銀行と一緒で、抵当権を国の方が付けてという形になって、もう全部、元の方へ全部積み上がります。
籠池:抵当権を付けるか……。
-----------引用終わり-------------
このように、財務省は自ら森友学園に対して、土地費用の十年分割支払いを提案しているのだ。しかもこの10年分割では、国の抵当権はつくものの完納前に所有権が森友学園に移転するのだという。大阪府の私学設置認可プロセスから、「校舎立地部分の自己所有」を開校の条件として突きつけられていた森友学園とすれば、渡りに船の提案だったろう。
こうして録音データを詳細に検証していくと、財務省側の方が「なんとかして、瑞穂の国記念小学院を開校させたい」という意図を強くもっていたのではないか?という印象を抱いてしまう。ここまで森友学園に便宜を図ろうとするのは、「佐川理財局長(当時)の国会答弁との矛盾」だけでなく、もはや背任に相当する犯罪行為なのではないか?
森友事件を法律家の立場から追いかける、阪口徳雄弁護士にこの音声データをきいてもらった。