1万人以上と面談した産業医が指摘!上司が知るべき正しい「ほめる技術」とは?

ほめるためには、みる技術

 こうやって考えていくと、ほめるところはいろいろとあるものだと思いませんか?部下のほめるところがないと言う管理職は、もしかすると、ご自身が部下をしっかりみていなかったから、ほめるところがみえていなかっただけなのかもしれません。  部下をほめることによって部下の自己肯定感が高まり、やる気が上がります。部下たちをほめることによって、部署の自己肯定感が高まり、士気が上がります。  あなたも具体的に、ほめる言葉を気になる部下や行動の変化を求めたい人に、どのレベルでもよいので探してみてください。それだけで、あなたの「みる技術」がかわります。  そして実際に相手にほめ言葉を伝えてみて、うまくいったなと思った場合は次にはほめどころピラミッドの一段上のほめどころを探してみてください。  そうやって相手とのいい関係を構築できれば、今後は相手は自発的にあなたの期待に応えようとしてくれるかもしれません。

それでもダメなら「ありがとう」

武神健之氏

武神健之氏

 ここまでのことが頭では理解できたとしても、やっぱりまだ相手のほめるところが見つからないという場合は、「ありがとう」という言葉を伝えましょう。  それは相手とのいい関係性を構築するための最初の一歩となるはずです。ぜひ、今日から試してみてください。 <TEXT/武神健之> 【武神健之】 たけがみ けんじ◯医学博士、産業医、一般社団法人日本ストレスチェック協会代表理事。20以上のグローバル企業等で年間1000件、通算1万件以上の健康相談やストレス・メンタルヘルス相談を行い、働く人のココロとカラダの健康管理をサポートしている。著書に『職場のストレスが消える コミュニケーションの教科書―上司のための「みる・きく・はなす」技術 』(きずな出版)、『不安やストレスに悩まされない人が身につけている7つの習慣 』(産学社)、共著に『産業医・労働安全衛生担当者のためのストレスチェック制度対策まるわかり』(中外医学社)などがある
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