1万人以上と面談した産業医が指摘!上司が知るべき正しい「ほめる技術」とは?

ほめるところがない部下はどうする?

 では、今ほめるところが見つからない相手をほめるためには、どうしたらいいのでしょうか。それは、まずは、ほめるところを見つけることです。  そこで使えるのが、「ほめどころピラミッド」です。 ⇒【資料】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=147196

ほめどころピラミッド

 これは一番下の階層の「環境をほめる」から始まって、一番上の「存在をほめる」まで、ほめる技術を段階的に表したものです。  たとえば、「ネクタイがおしゃれだね」「机がいつも整頓されていていいね」「小洒落た服装だね」などは一番下の「環境をほめる」にあたります。  次の段、「行動をほめる」です。結果ではなくとりあえず行動をほめます。  その次、「能力をほめる」、これも結果ではありません。  それから「考え方をほめる」、そして最上段として「存在をほめる」というふうになります。  ピラミッドの上にいくほど、ほめられるほうは嬉しいですが、ほめるほうも何か特別なことがないとほめるのが難しくなります。でも、下のほうは割と簡単に見つけられるのではないでしょうか。

具体的にほめてみましょう

 いくつか具体例をあげてみましょう。 「A社に行くときは新調したスーツでビシッと決めていったもんね。それが決め手になったかもね。さすがだよ」  これはピラミッドの最下段、環境をほめています。 「何度も何度も営業の電話をかけてくれていたよね。そういうことができるのはあなたしかいないね」  と、行動をほめることができます。 「あの取引先の担当者相手に大変だけれども君の忍耐力はさすがだね」 「クライアントさんといい関係を築けたのは、○○くんの人間関係構築力がすごいからだと思うよ」  というのは、能力をほめていることになります。 「これだけがんばれたのは、お客様のためになりたいという気持ちと自分を成長させたい向上心があったからだと思うよ!」  と言って、考え方をほめることもできるでしょう。  そして、 「○○君と一緒に働けることを誇りに思うよ」 「○○君がいるから、この部署が元気になっていると思うわ!」 「あなたの存在がチームにいい影響を与えてくれています」  これらは相手の存在そのものをほめる、ピラミッドの最上段のほめ言葉です。きっとあなたも、こういわれたら嬉しいのではないでしょうか。
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ほめるためには、みる技術
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