バンコク同様に他県の不動産売買にも落とし穴がある。投資先が土地そのものであることが多いし、特にそちらは日本人の不動産仲介業者がほとんどないので、日本人投資家には不利になるのだ。
「タイにも借地権がありますし、いい土地をみつけるには地元の村長と懇意になるなど、バンコクと違ったコツや注意点があります。タイに詳しくなく、タイ語ができないと騙されてしまうこともあるので容易ではありません」(佐々木さん)
他県は土地が安くてもバンコクとは違った危なさがあるのだ。そういったときにはやはり佐々木さんのように間に立ってくれる人は貴重だ。タイで不動産投資を成功させるのは投資物件よりも人との出会いが重要なのだ。
優良な仲介業者であれば、現地の事情や法令に詳しく、包み隠さず丁寧に情報を教えてくれる。「このエリアは買っても売れない」といったストレートなアドバイスをしっかりくれるのだ。
しかし、不誠実な業者もいる。日本人経営でも法人登記していない個人事務所やタイ人の不動産仲介会社だ。その中の一部の人は悪質なほどのウソを吐いてまでひどい物件を買わせようとすることもある。最初から売れないことを知りながらも「確実に利益が出ます」と押し通して買わせ、あとは知らんぷりを決め込むのである。
特に他県の未開発地購入となるとハードルは一層高くなる。優良な日本人向け仲介業者を見極めるのはなにより重要なのだ。