バンコクでコンドミニアムを資産運用として利用する場合、転売で利益を得るか、家賃収入を目的とする。価格が高騰している今、家賃収入よりは売却利益を狙って投資する人が多い。ただ、いずれの場合も人気エリア以外の物件は要注意なのだそうだ。
自分で住む、あるいはタイ人相手に薄利で売却するのなら売れ筋エリアを外してもいい。少額資金しかないタイ人はエリアにこだわらずに投資するが、外国人投資家はタイへの外貨送金手数料などコストが購入時にかかっているわけで、それなりの利益率がほしい。そうなると、どこでもいいというわけにはいかない。
バンコクの不動産売買で確実に利益をあげられるエリアは高架電車スカイトレインが走るスクムビット通りの一部しかない。自分の住まいとして購入したり、老後移住のために買っておき、それまでは賃貸で安く出すというのならいいが、転売は人気エリア以外では購入額を超える高値がつきにくい。そもそも人気のエリアでも、ひとつ路地が違えばそれだけでまったく価値が変わってくるのだ。そのため、人気エリアの新築物件はハイパー富裕層でしか手が出せないほどの高騰ぶりを見せている。
では、タイで不動産投資はもうおもしろみがないのかというとそうでもない。本質的な景気のよしあしは別にして、タイ人はとにかくカネを遣いまくる傾向にある。金回りがいいので、見方を変えればおいしいところはまだまだ残されている。
コンドミニアムは住宅だから中心地の価値が高くなるのは必然だ。それであれば逆の発想で住宅ではない物件ならばバンコクの中心を外してもいいのではないか。タイで日本人向けに資産運用コンサルタントをしている佐々木扶美(
※以前佐々木さんが登場した記事)さんに話を聞いてみた。
「以前
記事にしていただいたミャンマーと国境を接するカンチャナブリ県ではベトナム・ブンタウを起点にした『南部経済回廊』の建設が着々と進んでいます。タイ政府も力を入れているので、これから沿線は発展しますよ」
佐々木さんが開発をしようとしている場所はまだこのような状態だが、数年で間違いなくこの地域も首都圏になると言われている
未開発の土地を取得し、開発によって地価が上がったところで売却益を得るランドバンキングはまだ狙い目なのだ。例えば、タイ北部のミャンマー国境に近いチェンダオという地域も国境ゲートができるという噂が立ったことで地価が急騰しているという。現地はまだ外国人投資家はほとんどおらず、タイ人投資家や富裕層が土地を買い漁っている。
佐々木さんによれば「アセアン統合ですでに東南アジア内の物や人の行き来が盛んになっています」とのことで、これから国境地域の開発もかなり進むと見られる。
ただ、バンコク同様に他県の不動産売買にも落とし穴がある。