北朝鮮、新型弾道ミサイル「北極星2」型を実戦配備へ――日本への影響は?

異例となる夕方の時間帯、湖の近くからの発射

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今回の北極星2型は、Yonphung湖と呼ばれる湖のほとりから発射されたと推測されている Image Credit: KCTV

 北朝鮮が北極星2型を発射したのは2回目だが、今回は1回目とは異なり、夕方の時間帯に発射された。  これまで北朝鮮のミサイル発射、とくに弾道ミサイルの発射は、早朝におこなわれることが多かった。理由は不明だが、日本にとっては朝のニュースに、また米国にとっては夜のニュースの時間帯にあたるため、最も大きな影響が与えられるという理由や、朝日の角度によって写真が映えるというプロパガンダな理由まで、さまざまな推測がされている。  今回、夕方に発射したのは、おそらく「(朝だけでなく)いつでも撃てる」ということをアピールしたかったからだろう。  また、発射場所について米軍などは北倉付近としているが、ジョンズ・ホプキンス大学の北朝鮮問題研究チームが運営しているWebサイト「38north」によると、北朝鮮が公開した映像などを分析したところ、正確な発射場所はYonphung湖と呼ばれる湖のほとりだったのではないかとしている。実際に映像を見ると、自然豊かな(ミサイルさえなければ)風光明媚な場所から発射されていることがわかる。  北朝鮮は北極星2型のTEL(移動式の発射車輌)に、履帯式(キャタピタ式)の車輌を採用している。従来の北朝鮮のTELは装輪式(タイヤ式)で、ある程度整備された道路しか走ることができず、それゆえに発射可能な場所も限られていた。しかし装軌式であれば、道路として整備されていないところも走破できるため、これまで発射場所として想定されていなかったところからでも撃てることになる。  北朝鮮としては、湖のほとりという、おおよそミサイルの発射場所としては向いていないところから実際に撃つことで、「どこからでも撃てる」能力を実証するとともに、映像を公開することで、それを国内外にアピールする狙いがあったものと考えられる。
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公表された「地球」画像の意図
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