読者の中には、「わざわざこのような丁寧な切り出し方をしなければならないのだろうか」「相手は自分のことも知っているだろうし、アポイントメントを取るときに目的や時間もお伝えしてあるので、あらためて伝える必要がないだろう」と思う人もいるかもしれない。しかし、相手はこちらの名前をうろ覚えだったり、先日約束していても、面談の場では、「何の目的だったかな」「どのくらいの時間のミーティングだったかな」とはっきりと意識していなかったりしている場合が多い。
その状況のまま、BIGPRを実施しないで話し始めてしまったら、「いったいこの人は何の目的で話しているのだろう」「何分話すつもりなのだろう」ということが曖昧なまま、聞き手は落ち着かないまま、集中力が低い状況でミーティングが進んでしまうことになる。これが、相手を引き付けられない多くのケースでみられる原因なのだ。
実施している分解スキル・反復演習の年間3,000人の参加者に聞くと、この話法を初めて知ったという人がほとんどだ。これまで実施していなかったならば、なおさら、今からBIGPRを実施すれば、格段に、相手を引き付けることができることになるに違いない。相手を引き付けることができないのは、相手が悪いわけでもない。自分の持って生まれたキャラクターがコミュニケーションに向いていないわけでもない。スキルの修得さえできれば、相手を引き付けることができるように間違いなくなるのだ。
※「BIGPRのスキル」は、山口博著『
チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月。ビジネス書ランキング:2016年12月丸善名古屋本店1位、紀伊國屋書店大手町ビル店1位、丸善丸の内本店3位、2017年1月八重洲ブックセンター4位)で、セルフトレーニングできます。
【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第33回】
<文/山口博>
【山口 博(やまぐち・ひろし)】グローバルトレーニングトレーナー。株式会社リブ・コンサルティング 組織開発コンサルティング事業部長。さまざまな企業の人材育成・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、リブ/コンサルティング組織開発コンサルティング事業部長。。近著に『
チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)がある
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