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ビジネススキル向上のための「分解スキル・反復演習」で、参加者からビジネスシーンでの困りごとを挙げていただく。その中で、「相手が、自分の話にのってくれない」という相談が多くなっている。相手とのコミュニケーションのきっかけをどう掴むか、フックをどうかけるかという序盤の引き付け方の問題だ。
1対1であらたまって話すときにも、電話で相手に話しかける場合でも、オフィスの通路で立ち話する場合でも、あるいは、1対多数の会議や研修で発言する場合でも、切り出し方に迷う人が多くなっている。
聞いてみると、入社時のマナー研修でメールの書き方を修得したり、その後プレゼンテーション研修を受講したりしたことはあるが、こうした切り出し方を学んだ機会がないようだ。SNSでの切り出し方と、ビジネスシーンでの切り出し方は異なる。それが、職場でのコミュニケーションの難易度を上げている側面もあるかもしれない。
相手を引き付けるために、コミュニケーションの切り出し方はとても重要だ。切り出し方次第で、引き付け度合が決まるといっても過言ではない。そして、まずは、1対1の対面であらたまって話をする際の切り出し方を身に付けることができれば、その方法を、対面ではなく電話の場合や、1対多数の場合でも展開できるようになる。
1対1の対面で話す場合に、いきなり本論を話し始めたら、たいていの場合、相手は引く。社外の人に「商品を買ってください」といきなり切り出したら押し売りと間違えられる。社内の人に「書類を出してください」と唐突に言ったら「はあ~~」という反応をされるだろう。
よくある助言に、息抜きの雑談や、相手をリラックスさせる文字通り堅い気持ちをほぐすためのアイスブレイクを入れるとよいというものがあるが、雑談やアイスブレイクをしたとしても、その後どうするのという質問をいただく。
20年来演習を実施する中で、ビジネスパーソンのさまざまな実例を参考にさせていただきながら、コミュニケーションを切り出す方法を演習して試してきた。その結果、雑談やアイスブレイクよりもより、効果の高い方法があることがわかってきた。それが、対話の冒頭に
「BIGPR」を行うというものだ。