霧ヶ峰南麓に東京ドーム40個分!メガソーラーが地域社会を破壊する!?

全国初、メガソーラーをアセス条例の適用対象に

住民が作成した地図

住民が作成した地図

 その改正アセス条例の適用第一号が、冒頭に挙げたメガソーラーだ。昨年1月に、アセスの調査方法について情報を公開し、意見を募る「方法書」の手続きが始まった。今年2月14日と15日には、メガソーラー事業地である諏訪市と、被害が懸念される茅野市の2か所について中間報告が行われた。  現地を案内してくれた地元の塩沢幸子さん(茅野市北大塩地区在住)によれば、地域住民にとっては「水道水源への影響と災害の心配が最も大きい」と述べていたが、事業者の説明もその2点に絞られていたという。  メガソーラー事業地は横河川上流域にあり、その下流域にある「大清水」湧水地は、茅野市の水道水源の一部をなす。ところが、事業者が雇った株式会社アセスメントセンターの研究員は「水質調査による成分分析によると、事業地に降った雨は大清水には入っていない」と図解で説明。会場からは「では事業地に降った雨はどこへ出るのか?」と疑問の声が上がった。  横河川は霧ヶ峰の南斜面を源流域とし、ほぼ全域が「土石流危険渓流」と区分されている。1972年には崩壊歴があり、1983年には下流の茅野市米沢の北大塩地区全域が土砂災害で大打撃を受けた。  にもかかわらず、メガソーラーの事業地はその「土石流危険渓流」の上流部にあり、整地や管理用道路建設で出る土砂を下流側に捨て、その直下の谷を掘削して防災調整池を設ける計画だという。 「土砂災害の発生源となるのでは」「そんな調整池で持つのか」  住民たちからは疑問の声が上がった。昨年9月、北大塩地区を中心として米沢5地区の総意として、メガソーラーの建設の「即時中止」を求める要望書が出された。方法書手続では、知事や市長意見でも問題が指摘された。
次のページ 
原発と変わらぬ「地域分断」の構図
1
2
3