スペースX、2018年に2人の民間人を月へ打ち上げへ。その狙いとは?

1週間の月世界旅行

スペースXが開発中の「ドラゴン2」宇宙船。旅行者はこの宇宙船に乗って月へ行く Image Credit: SpaceX

 今回発表された月世界旅行は、スペースXが開発している有人宇宙船「ドラゴン2」と、同じく開発中の超大型ロケット「ファルコン・ヘヴィ」を使用して行われる。  ドラゴン2に乗った2人の旅行者は、ファルコン・ヘヴィで米国ケネディ宇宙センターから打ち上げられ、月へ向かって飛ぶ軌道に入る。  そして約3日、宇宙を航行した後、ドラゴン2は月に接近。そしてマラソンの折り返し地点のように、月の裏側をぐるりと回って進路を反転させ、今度は地球に向かって飛行する。そして最後は地球の大気圏に再突入し、陸か海に着陸する。打ち上げから帰還までは約1週間の旅となる。  こうした、月の裏側を回って帰ってくるだけの軌道を「自由帰還軌道」と呼ぶ。あらかじめこの自由帰還軌道に宇宙船を乗せれば、あとはエンジンを噴射するなどの作業をすることなく、宇宙船は自然に月へ行って帰ってくることができる。少ないエネルギーで地球と月との往復ができ、なおかつ放っておいても地球に帰ることができるため比較的安全であることも特長である。  ただ、アポロ計画のように、月の周回軌道に入って、月のまわりを何周もしたり、月面に着陸するようなことはしないので、ちょっと物足りないかもしれない。それでも、眼下に広がる月の大地を思う存分眺めることはできるだろうし、月の地平線から上がってくる地球も見ることができるはずで、想像をはるかに超える旅になることは間違いない。
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民間人による月への宇宙旅行
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