イーロン・マスクは立ち止まらない!――スペースXが挑む試練と挑戦の2017年

有人宇宙船の無人での初飛行

有人宇宙船「ドラゴン2」の想像図 Image Credit: SpaceX

 さらに同社は今年、有人宇宙船「ドラゴン2」の無人での初打ち上げも計画している。  スペースXはすでに「ドラゴン」という無人補給船を運用し、地球と国際宇宙ステーションとの間の物資輸送に使っているが、それをもとにして、人が乗れる宇宙船として開発されたのがドラゴン2である。ドラゴン2は最大7人の宇宙飛行士が搭乗でき、国際宇宙ステーションとの往復はもちろん、月や火星への飛行にも使えるという。  最大の特長は、着陸時にパラシュートを使わず(緊急用のパラシュートは装備する)、側面に装着した小型ロケット・エンジンを逆噴射しながら、陸地の狙った場所に正確に着陸することができることにある。イーロン・マスク氏は「太陽系のどこでも正確に着陸できる」と豪語する。また、このエンジンは、打ち上げ時の脱出ロケットとしての機能も兼ねている。  ドラゴン2は2014年にお披露目され、2015年には発射台から脱出する試験を、2016年にはエンジンを噴射しながら、ヘリコプターのように空中で静止する試験にも成功している。  現時点で、この無人の試験飛行は今年の秋ごろに予定されている。この試験飛行では、無人のドラゴン2を国際宇宙ステーションにドッキングさせ、さらに帰還させるところまで試験する。今後、開発が順調に進み、そしてこの試験が成功すれば、2018年からいよいよ実際に宇宙飛行士を乗せ、国際宇宙ステーションに向けて打ち上げられることになる。
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三兎も四兎も追うスペースX
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イーロン・マスク

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