超大型ロケット「ファルコン・ヘヴィ」の想像図。ファルコン9の両側に、同じファルコン9の第1段機体をくっつけたような姿をしている Image Credit: SpaceX
スペースXではまた、ファルコン9よりも強大な打ち上げ能力をもつ超大型ロケット「ファルコン・ヘヴィ」の開発も進んでいる。
とはいえ、完全に新型のロケットではなく、ファルコン9を中心に、その両側に同じファルコン9の第1段機体をくっつけることで造られる。まるで毛利元就の3本の矢の話のようだが、その効果は絶大で、現在運用されている世界のロケットの中で、最も強力な打ち上げ能力をもつことになる。
この能力を活かし、たとえば米軍が開発する巨大で特殊な軍事衛星を打ち上げたり、あるいは火星へ有人宇宙船を飛ばしたり、さらに冥王星へ大型の探査機を飛ばしたりといったことが可能になる。すでに同社では、2020年からファルコン・ヘヴィを使い、後述する「ドラゴン2」宇宙船を無人で火星まで飛ばす計画も打ち出している。
もちろん機体の再使用も可能で、中心の機体も、その両側の機体も、地上への着陸ができる。ただ、火星探査機の打ち上げなど、ロケットの能力を最大限使わなければならない場合は、着陸・回収せずに使い捨てることもある。
現在のところ、ファルコン・ヘヴィの初打ち上げは、今年の春から夏ごろのどこかで行われる予定となっている。