さて、Jリーグと所縁のある人物と言えば、忘れてはいけないのが“ベトナムの英雄”ことレ・コン・ビンだ。
東南アジア出身のJリーガー第1号として、2013年に当時J2のコンサドーレ札幌で約4か月プレーしたレ・コン・ビンは、昨年末のAFFスズキカップを最後に現役引退したばかりだが、なんと31歳の若さにしてベトナム1部ホーチミン・シティ(HCMC)の会長に電撃就任した。HCMCは昨季のディヴィジョン1リーグ(2部)で優勝して今季がクラブ創設以来初のVリーグ1参戦。レ・コン・ビン効果で注目されるHCMCは開幕からここまでの数試合で、2部リーグ時代の3~4倍の観客がスタジアムに押し寄せるようになっている。
また、今年は国内最大の経済都市であるホーチミン市に拠点を置くクラブがHCMCとサイゴンFCの2クラブになったことで、久しぶりに“サイゴンダービー”が復活し、コチラも注目が集まっている。
大都市ホーチミンでのクラブ運営は非常に難しく、過去にクラブの設立と解散を続けてきた負の歴史があるため、地元クラブに対するファンの視線は冷たい。昨年シーズン中にハノイ市から移転してきたサイゴンFCと今年1部に初昇格したHCMCは、長く地元に愛されるクラブを目指し、Jリーグやタイリーグなどを手本に様々なファンサービスを展開しており、両クラブは今後、ピッチ内外でも競い合うライバルとなりそうだ。