若い人口構成、経済成長……「メコン流域」がサッカー界からも注目を浴びている理由とは

アジアのサッカー強国の一角になりつつあるタイ

 メコン地域の経済で周辺国をリードしているタイは、サッカーでも頭一つ抜き出た存在となっている。昨年はリオデジャネイロ五輪予選、ロシア・ワールドカップ予選の両方で最終予選に進出したほか、クラブレベルでもAFCチャンピオンズリーグでブリーラム・ユナイテッドがアジアの強豪クラブと互角に渡り合うなど、アジアのサッカー強国の一角に地歩を築きつつある。TMCCでタイ代表クラブが決勝からの出場となっているのも、こうした力関係が反映されたものだ。  しかし、弱小チームが強豪を破る「ジャイアントキリング」があり得るのがサッカーというスポーツの魅力でもある。2015年のTMCCではカンボジアのボンケット・アンコールが準決勝でベトナムのベカメックス・ビンズオンを破る快挙を果たしたが、今大会ではラオスのランサーン・ユナイテッドがそれ以上の驚きを提供した。  ベトナム、ミャンマー、ラオスの代表クラブが1回戦総当りで対戦する第1ラウンドを1勝1分で突破すると、準決勝では敵地カンボジアに乗り込んでボンケット・アンコールを3-0で撃破。さらに決勝戦第1レグでもタイの強豪ブリーラムを1-0で破る金星をあげ、超満員となったホームの観客を大いに沸かせた。タイ・バンコクでの第2レグでは地力に勝るブリーラムに0-2で敗れたものの、前回王者を最後まで苦しめた戦いに称賛が集まった。
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新たなタレント発掘の場としても注目されるTMCC
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