若い人口構成、経済成長……「メコン流域」がサッカー界からも注目を浴びている理由とは

メコン・クラブチャンピオンシップで2連覇を達成したタイ代表のブリーラム・ユナイテッドFC Toyota Mekong Club Championship

 東南アジア地域の中でもメコン川流域に位置し、「陸のASEAN」とも呼ばれるタイ、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマーは、東西・南北に域内外を結ぶ交通インフラの整備が進んでおり、多くの日本企業から生産拠点や投資先として注目を集めている。1人当たりの国内総生産(GDP)が5000米ドルを超えてすでに中進国となったタイを除き、ベトナム=約2110米ドル、ラオス=約1820米ドル、カンボジア、ミャンマー=約1160米ドル(数字はすべて2015年時点)と、いずれも経済発展の途上にあり、生産年齢人口も引き続き増加することが見込まれている。  そんな経済的にも社会的にも進展の著しいメコン地域におけるサッカーのナンバーワンクラブを決める大会が「トヨタ・メコンクラブチャンピオンシップ(TMCC)」だ。大会の出場権が与えられるのは各国のリーグ戦やカップ戦の優勝クラブで、2014年にベトナム、ミャンマー、カンボジア、ラオスの4カ国でスタートし、翌2015年からタイも加わって5か国で争われている。  3回目となった今回の参加クラブは、ラオスのランサーン・ユナイテッドFC(ラオ・プレミアリーグ2016優勝)、ベトナムのSHBダナン(Vリーグ2016 3位)、ミャンマーのヤダナボンFC(ミャンマー・ナショナルリーグ2016優勝)、カンボジアのボンケット・アンコールFC(カンボジアリーグ2016優勝)、タイのブリーラム・ユナイテッドFC(トヨタ・リーグカップ優勝)の5チーム。大会は2016年11月5日から2017年1月8日の日程で開催され、前回大会ではタイでの一発勝負だった決勝戦がホーム&アウェー方式に変更されるなど競技面でのさらなる充実が図られた。
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アジアのサッカー強国の一角になりつつあるタイ
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