労基署臨検の主眼は何か? 勤務管理表改ざんの摘発より重要なこと

労働時間にかかわらず健康被害の兆しの把握が不可欠

 本当にできないのであろうか。「そのような個別の把握やサポートは、今の人事部にそこまで出来るはずがない」という人は多い。そうであれば、社員100名に1人と言われる人事部のスタッフは何をしているのかと私は言いたい。  量的規制は、簡単であるし、手間もかからないが、本来目的の実現に役立たない。個別の健康状態の把握と、勤務時間が長かろうが短かろうが、残業していようが、していなかろうが、健康状態に気がかりなことがあれば、それが重篤な状況にならないようにサポートすることに時間と労力を費やさずに、何が人事部か。  労働基準監督署の指導の主眼は、帳簿と実態の乖離を見極めることから、人事部が社員の健康状態を把握して、健康被害の兆候をいち早くキャッチし、健康被害を未然に防ぐことを実質的に機能させているかどうかという点にシフトすべきではないか。 ※「分解スキルの見極め手法」は、山口博著『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月。ビジネス書ランキング:2016年12月丸善名古屋本店1位、紀伊國屋書店大手町ビル店1位、丸善丸の内本店3位、2017年1月八重洲ブックセンター4位)で、セルフトレーニングできます。 【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第25回】 <文/山口博> 【山口 博(やまぐち・ひろし)】株式会社リブ・コンサルティング 組織開発コンサルティング事業部長。さまざまな企業の人材育成・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)がある ※社名や個人名は全て仮名です。本稿は、個人の見解であり、特定の企業や団体、政党の見解ではありません。
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チームを動かすファシリテーションのドリル

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