[悩み]「重要な指標の発表時にいつもやられてしまう。天井で買って損をして、ドテンして売っても利益が出ない。どうしたらよいでしょうか?」
月に1度のお祭りイベントである雇用統計。失業率と非農業の企業がどれだけ人を雇ったかの数字がわかり、アメリカの景気を占う指標だ。
「正直、初心者は指標で取引するのは難しいと思います。というのも、ヘッジファンドでは指標の内容の数字を瞬時に読み取って、注文を出すシステムが組み込まれています。個人投資家は内容を読み取って判断して注文を出して……とやっている間に2歩も3歩も先に進んでいる。打ち勝つのは並大抵のことではありません」(西原氏)
個人投資家はヘッジファンドの独自のアルゴリズムよりも素早く取引する必要性があるのだ。しかし、それ自体は非常に困難な話である。
「雇用統計など重要な指標のときはスプレッドも広く設定されています。正直、このイベントでのトレードは反射神経勝負な面があるのも事実です。そもそも明確なストーリーを描けていなければ取引するべきではないと私は思います」(井口氏)
初心者のうちは「イベントではポジションを持たないこと」を鉄則にして置いたほうがよさそうだ。
[悩み]「トレードをしていない時に限って大きく値動きがあり『しまった!!』と悔しくなる。あとから手を出すと大体負けてしまう……」
自分がポジションを持っていないときに限って大きく動くのは“あるある”だがどう対処すべきなのだろうか。
「実際に取引をするときは、短期的な値動きだけで判断するのは非常に危険です。本来、じっくり分析した後でポジションを持つべきだと私は思いますね」(田向氏)
取引を考えるとき、じっくり悩んで作ったポジションは決済も慎重になる。慌てて作ったポジションは長続きしないのだ。
「戦略もない状態でむやみに取引するのは少し危険ですね。重要な指標などが出た後も、同じなのですが……。動いた後すぐに取引するのではなく、ゆっくり見回して2~3時間経ってから改めてエントリーするのでも遅くないと思います。チャンスはいっぱいありますからね」(井口氏)
無意味な取引はなるべく減らす。そのことが勝てるトレーダーへの一歩だ。