高まる「デジタル・フォレンジック」(DF、電子鑑識)の重要性
検察事務官に対して、近年、捜査でパソコンやスマートフォンに残るメールなどの記録を復元する「デジタル・フォレンジック」(DF、電子鑑識)の重要性が高まっていると、上記報道の中で記されている。
デジタル・フォレンジックとは、コンピューターやデジタル記録メディアに残された情報を収集・解析して法的証拠として活用するための手段や技術のことを指す。大雑把に説明すれば、通常の警察では「鑑識」が現場の保全や証拠収集、検証などを行うわけだが、これをネットワークやデジタル機器上で行うこと、と言えばおわかりだろうか。
2010年9月21日、大阪地検特捜部の主任検事が証拠物件のフロッピーディスクを改ざんしたとして、証拠隠滅の容疑で逮捕された。この事件をきっかけに、DF技術が東京、大阪、名古屋各地検の特捜部に導入されたが、今年4月以降、東京地検と大阪地検に拠点を設置する方針を固めていることが既に判明している。DF技術を活用して、記録の復元のほか、破壊された機器のデータ抽出や解析、防犯カメラの画像補正などが行えるようにするという。