2017年、中国には多くの問題があり、注視しないといけない状況となっています。不動産市況の悪化は懸念事項の一つで、不動産価格の下落が始まると、負のサイクルに陥る可能性があり、経済全体が停滞する可能性があります。
中国の経済停滞と人民元安に備え、対外投資を加速させたいにしても、当局の監視も厳しくなっています。今後、企業サイドもさらなる対策を練る局面に立たされることでしょう。
ゾンビ企業の問題もまだ片付いておらず、今後さらなるゾンビ企業の淘汰が進むのかにも注目が集まります。また、トランプ氏が大統領になり、今後中国とどう関わっていくのか。こちらの点は、GSが指摘した通り、中国の為替政策に影響を及ぼす可能性が大いにあります。
2017年の中国は、資本流出しようとする側、それを食い止めようとする当局と、心理戦が続く形になりそうです。中国の動きによっては、日本の円に与える影響も大きくなるでしょう。外貨準備の動き含め、2017年も引き続き中国に注意する必要があるといえます。
<文・岡本泰輔>
【岡本泰輔】
マルチリンガル国際評論家、
Lingo Style S.R.L.代表取締役、個人投資家。米国南カリフォルニア大学(USC)経済/数学学部卒業。ドイツ語を短期間で習得後、ドイツ大手ソフトウェア会社であるDATEVに入社。副CEOのアシスタント業務などを通じ、毎日、トップ営業としての努力など、経営者としての働き方を学ぶ。その後、アーンスト&ヤングにてファイナンシャルデューデリジェンス、M&A、企業価値評価等の業務に従事。日系企業のドイツ企業買収に主に関わる。短期間でルーマニア語を習得し、独立。語学コーチング、ルーマニアビジネスコンサルティング、海外向けブランディング、財務、デジタルマーケティング、ITアドバイスなど多方面で活動中。