GSが憂慮するように、ここ最近の人民元安はリスクとなっています。そして、この人民元安は資本流出を伴っているものである点に注意する必要があります。
中国経済の先行きが分からない中、国外の資金を持つ。GSの発言からも分かるように、2017年にはさらなる元安も既に想定されています。元がさらに下がるなら、下がる前に国外の資金を持とうとする流れも理解できます。
そして、中国当局はこれを止めるのに必死な状況です。中国人民銀行の1月7日の発表では、2016年12月の外貨準備高は3兆105億ドル(約352兆円)で、前月比410億ドル減となっています。ドル売り、人民元買いという為替介入のため、外貨準備が減少しているのです。
外貨準備というのは、対外債務を返済する目的でも使われるわけですから、このまま外貨準備が減少するのは中国にとってはよい循環であるといえません。