1年前の1月前半も人民元安の話題で市場は揺れていた
なお、人民元安の流れは今に始まったことではありません。
重要なターニングポイントは2015年8月11日。中国が人民元切り下げを突然しました。このとき言われていたのが、中国の輸出企業を上向ける考えが背景にあるといったもの。景気対策であり、人民元安にしてこそ、輸出企業を持ち直すといったものです。
ただ、それ以降、人民元は対ドル相場で下げ続け、株式相場に影響を及ぼすようにもなりました。2016年1月7日に中国人民銀行が発表した対ドルレートの基準値は1ドル=6.5646元。その後しばらくして、中国当局は人民元安の流れをストップさせることに成功したものの、2016年の半ばから人民元安の流れは再び加速しました。
2017年になり、昨年同様、人民元安、資本流出への懸念が起こる中、1月6日に中国人民銀行が発表した基準値は元高設定の1ドル=6.8668元。これは1月5日よりも0.9%引き上げられるという大幅な元高設定となりました。中国当局による資本流出を食い止めようとする策が出された形となります。