Vリーグ唯一の日本人選手、元横浜FC・井手口正昭が大活躍【2016年アジアサッカーまとめ】

HAGLに加入したベトナム唯一の日本人選手・井手口

 いま、アジアサッカーが熱い。東南アジアや中国、インドなどの新興国でサッカーが爆発的な人気を博してきており、その経済規模も日本サッカーを凌駕するものが出てきている。サッカーのレベルも徐々に日本や韓国などの強豪国に近づいてきており、色んな意味で無視できない存在となってきている。  ASEAN諸国のなかでもベトナムは経済成長著しく、9000万人を超える人口を持ち、南北に1560キロに渡る広範な国土を持つ。  サッカーにおいてもASEAN内ではフィリピンやタイと並び上位につけている。先日まで代表チームの監督を日本人が務めていたり、現在もベトナム人有名選手がJリーグクラブに移籍していたりと日本との交流も加速してきている。Jリーグはアジア戦略の一環としてVリーグ(ベトナムリーグ)と提携協定を結んでおり、ガンバ大阪や川崎フロンターレ、水戸ホーリーホック、横浜FCなど複数のJクラブがベトナムとの活動にも力を入れている。  水戸と横浜FCがベトナム人選手を獲得した以外では、2016年は複数のJクラブがベトナム遠征を実施した1年だった。年初には、HAGLと提携関係にある横浜FCが新シーズンに向けた1次キャンプをベトナムで行っており、シーズン終了後の11月から12月にかけては、アビスパ福岡がベトナム代表と親善試合、湘南ベルマーレが地元プレシーズン大会、横浜FCがU-21国際選手権に出場するために訪越している。  ベトナムにおけるJクラブの知名度は、AFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)に出場するような強豪クラブでない限り、まだまだ低いというのが現状。しかし、こうしたローカル大会に出場して結果を残すことで、Jクラブのレベルの高さを改めて地元のサッカーファンに実感してもらえる。また、Jクラブにとっても、選手に東南アジアという全く異なる環境を経験させることで、精神的なタフさや国際舞台での経験を積ませる場にもなる。
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Jのベトナム遠征も増えている
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