ソフトバンクが10億ドル出資する宇宙企業「OneWeb」ってなんだ!?

人工衛星を使って全世界にインターネットをもたらす

地球低軌道に配備されるOneWebの衛星たち Image Credit: OneWeb

 OneWeb(ワンウェブ)は2012年に立ち上げられた企業で、人工衛星を使い、全世界に高速インターネット通信サービスを提供することを目指している。設立者はグレッグ・ワイラー氏という技術者・起業家である。  人工衛星を使ったインターネット、というと、あまりピンとこない人が多いかもしれない。私たちは普段、自宅はもちろん、外出中や通勤・通学の電車の中でさえインターネットにつながった生活をしている。しかしそれが可能なのは、日本のように各家庭にブロードバンド回線が普及し、街中から山の中に至るまで電波が行き届いているような国に限ったことであり、世界中にはまだインターネットが届いていない地域がたくさんある。一説には、世界の人口約70億人のうち、30~40億人はまだインターネットを使うことができないと言われている。  ワイラー氏は、そうした「ディジタル・ディバイド(情報格差)」をなくし、世界中の人々にITの恩恵を与えたいという想いからOneWebを立ち上げた。  しかし、世界中にインターネットを張り巡らせるということは、絶海の孤島からジャングルの奥地、南極や北極、あるいは情勢が不安定な場所にまで回線を引かねばならないということである。そのような場所すべてに、日本のようにいちいち回線を引くことは難しい。  そこで使われるのが人工衛星である。しかも、ただ1機や2機打ち上げるのではなく、OneWebは地表から高度1200kmの地球低軌道に、少なくとも約700機もの小型人工衛星を打ち上げ、文字どおり地球を覆うように配備することを考えている。これにより、地球のどこでも空を見上げれば常に複数のOneWebの人工衛星が存在することになり、端末さえあれば、無人島だろうがジャングルの奥地だろうが、いつでもどこでもネットにつなぐことができる。
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死屍累々の低軌道衛星通信
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