確定拠出年金で得をする3つの裏技

 目の前に差し迫っているならともかく、数十年も先の老後の暮らしのことなんて、今からリアルに想像できるものではない。とはいえ、これからの日本は少子高齢化で、老人がどんどん増え、現役世代は減っていく一方でもある。「定年後の将来に自分たちがもらえる年金なんてスズメの涙レベルかも……」と、自分の将来を恐れている人も少なくないはず。そこで、厚生年金や国民年金といった公的年金を補完する制度として、’01年から導入されたのが今、話題の「確定拠出年金(DC)」だ。(※「確定拠出年金」の基本的な説明は「知らなきゃ大損!――確定拠出年金で700万円稼ぐ方法」を参照)

自分自身で納得できる投資先と配分を選択せよ!

確定拠出年金 確定拠出年金で肝心なのは具体的な金融商品選びだ。運用に失敗すれば元本割れも起こりうるし、そのことは完全に自己責任となってしまうため、定期預金などの安全確実商品を選択する人もいるだろう。だが、それではほとんど元金しか積み上がらず、運用中に発生した利益が非課税となるDCのメリットを活用しているとは言いがたい。  かといって、イチかバチかのギャンブル的なハイリターン狙いで、自分の老後を無闇矢鱈とリスクに晒してしまうのも愚の骨頂だろう。適度なウエートで的確なリスク資産に投資するのがもっとも望ましいスタンスであるし、その具体的な手段として投資信託が選択肢に入ってくる。何より肝心なのは、そこから先の話だ。どのようなタイプの投信を選んで、どういったウエートで投資していくのが定石なのだろうか?

DC運用の大先輩が自らの体験について語る

 まずは、いち早くDCを通じた投資を実践している先輩投資家の意見に耳を傾けてみよう。製薬会社のIT部門で働くサラリーマンである一方、著名投資ブロガーとしてセミナー講師も務めるのが、吊られた男氏だ。彼は新卒で入った会社が、’02年に「企業型」のDCを導入し、投資に興味を抱き始めたという。そして、会社側から提供された金融商品リストを見比べたうえで、国内株式と世界の株式の平均的な推移にそれぞれ連動するインデックスファンドを2本選択したそうだ。 「アクティブファンドは市場平均を上回る成果を目指しているのに、インデックスファンドと運用実績にあまり差がありませんでした。そこで、なるべく手数料の安いインデックスファンドのほうを選んだわけです」  その後、結婚を機に’07年頃から本格的に資産運用に取り組み、DCは日本を除く先進国株式の平均的な推移に連動するファンドに一本化し、一般口座で日本株や外国債券のインデックスファンドにも投資した。だが、’09年には海外債券ファンドを解約して資金を回収した。株式と比べて期待リターンが低いのが理由だ。以降、新たな投資は日本株と先進国株式、新興国株式のインデックスファンドに絞っている。  DCは先進国株への投資に活用し、その他はNISAや一般口座で投資。ポートフォリオ全体で日本株式、先進国株式、新興国株式の比率が3:4:3になるように随時調整を図っているという。
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ビギナー、ベテランにかかわらず選択肢は同じ
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