確定拠出年金で得をする3つの裏技

ビギナー、ベテランにかかわらず選択肢は同じ

 読者と同じく個人投資家である吊られた男氏に対し、ファンドマネージャーの経験もある経済評論家の山崎元氏はどのように考えているのか?まず、山崎氏は最初にこう注意を促す。 「金融機関が手数料稼ぎのために仕込んだ“地雷”のような商品を選ばないことです。“地雷”の主な特色は、①シンプルなインデックスファンドでないこと、②運用管理手数料が高いこと(年率0.4%以上)。このような“地雷”を避ける意味でも、信託報酬が相対的に低い外国株式と国内株式のインデックスファンドを用意している運営管理機関を選ぶのが適切です」  山崎氏曰く、ほとんどの個人がリスクを取って運用すべき投資対象は「低コストの設定である国内・外株式のインデックスファンド2本」で事足りるという。そして、国内株式はTOPIX、外国株式は先進国株式か、もしくは先進国を中心としながら全世界をカバーしている株価指数に連動するタイプが望ましいとのことだ。  ただし、DCには掛け金の上限が定められ、あくまでその枠内での投資となってしまう。こうしたことから、DCだけで国内・外株式のインデックスファンド2本に投資すると、一般口座での運用も含めた資産全体のバランスが最適な状態となりにくい。そこで、NISAの非課税枠にも目を向けるのだ。 「DCとNISAは一般口座(課税あり)での運用よりも有利になります。だから、国内・外株式のように期待リターンの高いものについては、これらの口座を選択するのが最適です」  その結果、DCで外国株式インデックスファンド、NISAでTOPIX連動インデックスというチョイスになるわけである。 「DCとNISAを通じたリスク資産への投資とともに、一般口座では普通預金やMRF、個人向け国債(変動金利・10年型)といった無リスク資産で保有するというのが個人のシンプルな資産運用設計の一例です」  さらに山崎氏は、ビギナー向けだとオススメされがちなバランスファンドに関しても懐疑的な見解を示す。 「半分が株式で半分が債券だからバランスが取れていると誘導されやすいが、コストが割高で最適な運用選択肢になる可能性は乏しいでしょう。そもそも、ビギナーであろうとベテランであろうと、運用に関する基本的な考え方に違いが生じるはずがありません」
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4つの投資対象に均等配分でも好成果
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