手動の信号にやりたい放題な運転マナー。タイが渋滞の「名所」である理由

1.バンコクの構造

 バンコクの道路は大通り「タノン」とそこから派生する小路「ソイ」で構成されている。現在の道路のほとんどは大昔は運河だったという。そして、ソイは大富豪や名士などの邸宅から運河に出るために造られた小川だったそうだ。そのため、現在でも多くのソイが行き止まりでほかのソイやタノンに行くことができない。要するに抜け道が少ないのである。

運転マナーが著しく悪いのはタクシーが多い。そして、バンコクではタクシーの割合が高い

 それから、バンコクは一方通行が多い。ちょっと道を間違えてしまうとぐるりと大回りしないと戻ってこられなくなる。時間帯で一方通行になったり、現場にいる警察官の独断でそうなる不規則さもある。タノンでは中央分離帯を挟んで1車線だけ反対方向に進めるところもあるなど、とにかくルールが一定でなく、初めて通るドライバーに混乱が生じるのだ。  それに加えて道路の質自体がよくない。バンコクはさすがに赤土むき出しの道はほとんどないが、補修せずに穴が開いてしまっている、妙な場所にマンホールのふたなどがあり滑りやすいなど、道路そのものがよくない。これにより、例えば冠水・洪水で道路の表面が見えなくなるとなにがあるのかがわからず慎重に走るようになり、渋滞が悪化する。
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ざっくりした運転マナー
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