「残業するな」「時短をしろ」という改革は逆に負担になる!【シリーズ雇われない生き方】
昨今、長時間労働がクローズアップされている。昨年の12月に電通の新人社員だった高橋まつりさんが過労自殺で亡くなった事件がきっかけになった。過労死防止のシンポジウムで、高橋まつりさんの母親は「国民のいのちを犠牲にした経済成長第一主義でなく、大切ないのちを守る日本に変えてほしい」と涙ながらに訴えた。まつりさんは電通に就職が決まった折、「社会に貢献したい」と話していたという。
筆者が営む小さなオーガニックバーには、長時間労働で疲れ果てた人が訪ねてくる。バーは週4日、夜のみの営業で、週の労働時間は30時間程度。幸福度の高いデンマークの週労働時間(31時間)より少ない。あまり働かない私に何かを求めて訪ねてくるのだろう。
6年前、SE(システムエンジニア)をしているBさんが訪ねてくるようになった。Bさんの職場から当店に来るには1時間半かかり、当店からBさんの家に帰るのにも1時間半かかるという。終電間際に来て、一杯だけ飲んで帰る。職場から家に帰れば30分くらい。
その行動だけをみても、何か抱えていることは明らかだった。Bさんの会社は大手メーカーの一次受けで、医療機器の内視鏡やコピー機やプリンターなどのシステム構築を担っていた。
「入社した頃は、2~3年やって仕事を覚えたら好きな音楽の仕事に転向しようと思っていたんですが、なんだかんだやりがいもあって。辞めずにズルズルと30代半ば、気付いたら中間管理職でした。責任も重くなり、システム納期が迫ってくると終電帰りや休日出勤も当たり前だし、それをオカシイとも思いませんでした。会社は割と人を大切にしてくれて、いい雰囲気でしたし」
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