「残業するな」「時短をしろ」という改革は逆に負担になる!【シリーズ雇われない生き方】

会社を退職したら、自由な時間も残るお金も多くなった

 多忙に伴って何とも言えない疑問が湧いてきた頃が、当店に通い始めた時期だった。その後、退職を決めた。 「近くの部署の45歳くらいの課長が突然亡くなったんです。でも、死の原因はプレッシャーが大きかったことや長時間労動による過労死ではないかと思いはじめました。でも、会社の雰囲気は穏やかに悲しみに暮れるだけで、遺族も問題視しません。亡くなった課長も一見、楽しそうに仕事していたし、社内での人間関係も良好に見えましたし。  それで違和感を持ち始めたんです。『自分もこのままいったら、課長と同じ道を歩むかもしれない』って」  Bさんは5年前、千葉県の九十九里近くに一軒家を借りて3人の仲間とシェアし、お米作りを始めた。翌々年には利根川沿いの地域に移住し、小さな平屋の一軒家を借りた。  フリーになってもSEやホームページ作成の仕事が入るし、好きな音楽の仕事もできるし、太陽光パネルでの電気自給ワークショップも時折開催している。営農組合で農的な仕事もして、いくつもの小さな収入があるから、一つの仕事に縛られる必要がないし、リスクヘッジになって安心感もある。 「そりゃ、今の方が遥かに楽しくて自由ですよ。収入は平均すると前職より少なくなりましたが、いただく仕事によっては前職を上回る月収になることもあるんです。労働時間も自分で調整できるので、働きすぎることもない。人のためになるとか、世の中に役立つ仕事しか引き受けません。  家賃や食費などが減ったし、ストレスで浪費することがない分稼ぐお金も少なくていいし、残るお金はむしろ多くなりました。このあたりは空気も食べ物も新鮮で美味しいんです。たまに仕事で東京に行くと、虫の音が聞こえず寂しくなり、帰ってくることもあるんですよ」
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「残業するな」という改革だけじゃだめ
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