ニトリのテナントにヨーカドー!?――立場が逆転した流通大手、両者の次の一手とは?

ニトリ―次の一手は?

 イトーヨーカドーをはじめとする総合スーパー各社が住関連売場の縮小をおこなう一方で、ニトリの拡大路線は留まるところを知らない。  今年、ニトリは新宿高島屋、東急百貨店東横店(いずれも渋谷区)、港南台高島屋(横浜市港南区)などといった大手百貨店に相次いで出店。今後も百貨店やファッションビルへのテナント出店を行うことで都市部での店舗網拡大を図りつつ、郊外地域では今回の環七梅島店のようなショッピングセンター業態の店舗を増やしていく計画で、これからも流通大手を「ニトリのテナント」として迎え入れる事例が増えていくことは間違いない。

ニトリは郊外型ショッピングセンターの出店を行うとともに、大都市中心部では百貨店への出店を行うことで店舗網を拡大している

 かつて、大手流通企業のなかにはニトリのようにホームファニシングの専門店から店舗規模と取扱品目を拡大していくことで、雑貨店やホームセンター、そして総合スーパーへと大きな成長を遂げたものもある。  カテゴリーキラーの代表格であるヤマダ電機が住宅メーカーのエスバイエルを傘下に収めることで事業の拡大を図ったように、ショッピングセンター展開により店舗規模の拡大を図ることに成功したニトリが、将来的に取扱品目の拡大や、さらには異業種の小売企業を傘下に収めることで事業・業態の拡大をはかる可能性も捨てきれない。  カテゴリーキラーから総合スーパーをも飲み込む存在にまで急成長を遂げた「ニトリ」の、次なる一手が注目される。 <取材・文・撮影/都市商業研究所> 都市商業研究所 若手研究者で作る「商業」と「まちづくり」の研究団体。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitterアカウントは「@toshouken」 ※都商研ニュースでは、今回の記事のほかにも下記のような記事を掲載中 ・京橋エドグラン、11月25日開業-明治屋京橋ビルもリニューアル中目黒高架下、11月22日開業-蔦屋書店など28店舗が集う“高架下商店街”西武百貨店沼津店跡地に「ラブライブ!サンシャイン!!カフェ」、11月8日開店
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