韓国スマートシティ計画が難航……山積みの課題とは

 一例として、韓国では仁川(インチョン)市の埋立地に、松島(ソンド)新都市というスマートシティーを建設中である。具体的に言えば、都市を建設することで電気や水道などの社会インフラ、交通網、通信網などの情報を統合的に制御し、環境負荷の軽減を図る狙いがある。  この街づくりの最大のコンセプトは環境重視。全長25kmの自転車専用道路を張りめぐらし、徒歩や自転車を主な移動手段にして、車を極力使わなくてすむように工夫している。高層住宅にはハイテクな装置が完備され、ゴミをダクトから吸引して収集センターまで自動集積することで、街にゴミ収集車は不要となっている。  さらに、ソウルから南に120キロの忠清南道(チュンチョンナンド)には、2012年7月に世宗(セジョン)特別自治市が誕生した。その地は、ソウルに続く韓国の「第2の首都」にするという位置づけで建設が進んでいる。  世宗市は最先端のICT技術を取り入れ、韓国で初めて都市全域に超高速自家通信網と無線網を構築してある。都市の頭脳の役割を果たす韓国最大規模の都市統合情報センターを建設し、スマートフォンなどによるu-サービスを提供する。世宗市のu-サービスは、個別の行政サービスや交通情報、遠隔診療、気象情報、施設の案内、遠隔検針といった先端サービスを提供している。  地上を走る電車「幹線急行バスシステム(BRT)」もIT技術を活用し、信号や交通情報などを自動制御・管理する。
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韓国情報化振興院による厳しい指摘
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ドローンの衝撃

ドローンに関する基礎的情報をいっきに紹介