主要産業が銃密造から牛肉麺に!中国・化隆県の浄化をもたらした“ラーメノミクス”

騒動が起きた牛肉麺店「阿里兰牛肉面」の牛肉麺。他の店と比較しても美味

 中国に行けばどこにでもある最も有名なファーストフード、牛肉麺。15-20元(約200~300円)程度と安価でそれなりにおいしいので、中国を訪れたことがある人の中には、食べたことがある人も多いのではないだろうか。一説には全国で10万軒以上存在するといわれる牛肉麺店の中でも、チベットに程近い甘粛省蘭州の味である「蘭州ラーメン」がもっとも有名だ。しかし研究者によると実は蘭州という名前は一種のブランドとしての意味しかなく、経営者の大半は隣の青海省東部、化隆県の出身と言われている。  今年7月、甘粛省出身のオーナーが上海の中心部に新しく牛肉麺店を開業させた。しかし開業当日、100人もの同業者と思われる群衆が押し掛け営業を妨害。翌日以降も居座り来店客を邪魔する、店主に暴言を吐くなどの行為が続いた。これは化隆出身の同業者同士の取り決めである「過剰な競争を避けるため400メートル以内に新規の出店はしないこと」という基準に反したためだとされる。

開店初日の様子(店の微博公式アカウントより)

 他の地方出身者の自主的な取り決めなど関係ない店主は、警察に通報し抵抗した。しかし騒乱は続き、身の危険を感じた店主は仕方なく最終的には30万元の立ち退き料を受け取って退去することになっているという(ちなみに10月時点で店はまだ営業中で、昼食には遅い時間の訪問にも関わらず、客足が途切れることはなかった)。店主がこの騒動の様子を微博で公開したことで、早くからネット上で話題になっていた。

化隆出身者牛肉麺店経営者の団体「在沪西北清真拉面联络协调小组」が出したとされる出店ルールを定めた書面(「沪」は上海を示す)。下部のハンコには「~県人民政府駐上海~」といった文字も見え、地方政府による承認を受けているようにも見えるが真偽不明

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密造拳銃の一大産地だった化隆を変えた蘭州ラーメン
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