“昨日以降、JTBCは再び一番注目を浴びる放送局となりました。
番組に対する関心は、そのまま社員たちへの関心に繋がります。
謙遜して自重して、また、謙遜して自重しましょう。
出会うすべての人に対しそうでなければいけません。
取材現場はもちろん、道行くすべての人に対しても……
これは「一番信頼されるニュースの報道機関」に選ばれた時から言っておきたいことでした。
私自身がしっかり実践出来ているのかは分かりませんが、JTBCマンであるならば、これからは当然そうであるべきです。
世間の注目が集まるなか、何かしら中傷を受けるようなことがあれば、それがとてつもなく大きな反発となり、我々に覆いかぶさってくるでしょう。
まして今週から独占で報道している内容は、人々の心をスカッとさせることもあるでしょうが、同時に深い自戒感を与えることもある内容であります。
私たちは本意でなくとも、人々に、治癒しがたい喪失感を与えてもいるのです。
だからこそ、我々の態度は何にまして大事なのです。
謙遜して自重しても、我々がJTBCマンであるという評価が下がることはありません。
それでは。”(翻訳筆者)
おそらく彼は「英雄」であることを望んでいない。今後もただ貪欲に事実だけを追い求め、その事実を冷静に報じていくだろう。
そして、彼が本当に報じたいのは、実は大統領のスキャンダルではないと筆者は感じている。彼が本当に報じたいのは、今回の「崔順実ゲート」と「セウォル号事件」の関連。そこにあったはずの、今はまだ海中深くに沈んでいる真実。その真実が暗がりの海中から引き上げられたとき、韓国の偽りの権力が沈むといえるのかもしれない。
<文・安達 夕>
1976年生まれ。会社員の傍ら、フリーライターとして活動。カルチャーから国際問題まで幅広くカバーする