10月期放送アニメが「放送延期続出」の異常事態。背景に制作現場の過酷な環境

「業界自体が変えようと意識しないといけない」

 そして、さらにこう続けた。 「芸術祭などでアニメに対し、権威づけをしてくれる文化庁や、クールジャパンとして海外セールスを後押ししてくれる経済産業省。日本のアニメにはこうした行政のサポートはありますが、業界構造を変えるには、まずは業界自体が変えようと意識しないといけない。では誰が旗を振るのか。毎回の放送を急場しのぎでクリアしているうちは、なかなか変わられないのが現実だと思いますけどね」  映画『君の名は。』の歴史的大ヒットの例を挙げるまでもなく、リオ五輪閉会式での東京五輪PRを見ても、いまや「アニメ産業」を「クールジャパン」として政府までもが利用しようとしている。しかし、できたコンテンツを都合よく利用するだけでなく、こうした現場クリエイターの過酷な労働環境などの「足元の危うい構造」を抜本的に改善することが必要ではないだろうか。 <取材・文/HBO取材班>
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