10月期放送アニメが「放送延期続出」の異常事態。背景に制作現場の過酷な環境

「状況はさらに悪くなっている」

「昨今はそもそもアニメ番組の制作本数が、業界全体のキャパシティを超えつつあります。仕事を掛け持ちで仕事をせざるを得ないアニメーターが多く、今年はそれがついに決壊してしまったのだと思います。  たとえば、アニメにとって大事なレイアウトと原画作業は、本来であれば最低4~6週間は作業の時間がほしいところ。ですが、今はそこまでスケジュールに余裕をキープできる作品はほとんどなく、中にはレイアウトと原画に1週間しかかけられないという作品まであります。『限界と思われた数年前より、さらに状況は悪くなっている』とも言われています」  また、かねてから指摘されている、一部アニメーターの劣悪な労働環境も事態の根底にあるという。
次のページ 
劣悪な労働環境で若手養成すら機能せず
1
2
3
4
5