【地域おこし協力隊の闇】雑用を断れず過労でダウン、なんちゃってアーティストの巣窟、嫁募集目的

一度でも揉め事を起こすと終わり

 そうでなくても、余所者は都会から来ただけという覚めた目で見られる。一度でも揉め事を起こすと出て行くしかないのが田舎だ。東京に15年いて地元にUターンしたHさんは言う。  「東京のような話し合いはできません。何かあったら論理的な話し合いでは解決しないのが田舎というもの。相手はこっちの話なんか一切聞いていません。どちらが正しいかなんて田舎では関係ないんです。当然、余所者が負けます」  地域おこし協力隊の世話役もしていたHさんは「だいたいにして都会で活躍できなかった人、都会に疲れた人ばかりが協力隊に参加しています。九州で地域おこし協力隊の集会がありましたけど、来ていた隊員を見渡しても約4分の一は心の病が理由で田舎に逃げてきた人。ダッシュ村みたいなものは現実にはありませんよ。たまに本気で町おこしをしたい人がいるけど、あとの残りは“なんちゃってアーティスト“みたいな人ばかりです。人間関係に疲れても田舎のほうが人間関係は違う意味で面倒。都会で友達の出来ない人が田舎に行っちゃダメです」  ちょっと楽器ができる人や少し絵を描ける人は地元では珍しがられ、ネタがない地元の地方新聞が取材に来てくれるので、都会で目立てなかった“なんちゃってアーティスト”は満足する。そのためか、彼らは移住して住み着く確率が高いそうだ。また、地域おこし協力隊の中には田舎の嫁不足を解消する目的と勘違いしているのか、最初から女性しか募集していない地域もある。 「移住したところで10年経っても未だに移住者は他所から来た人と言われる。結婚でもしない限り下手すると一生、余所者のままです。いっそ結婚してしまったほうが本人の気分はラクでしょう」 <文・小手平走歌>
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