地域おこしに赴くには、当地の論理を十分に理解してから行くべきであろう(写真はイメージです。記事の内容とは関係ありません)
地域おこし協力隊の募集で気をつけて見てもらいたい部分がある。それは、移住に関して手厚い補助や至便な移住促進住宅があるかどうかである。
ある県の全体を見渡すと、移住促進住宅のある地方はその県全体でも住みにくい地域にしかない。地元に住んでいればわかるが、都市部からは非常にわかりにくい部分だ。
放っておいても人が集まる小豆島のようなリゾート地域や、イメージの良い町、田舎といえども都会に出やすい住みやすい地域には移住促進住宅はない。つまり移住促進住宅がある地域はそれなりに理由があるのだ。
ある地方で近県5県の地域おこし協力隊の大集会が開催された際、その中でも優秀者として選ばれ登壇した女性は、実は3回も過労で倒れ救急車で運ばれていた。隣村に赴任しているGさんは次のように話す。
「地域おこし協力隊は、地元では無料のボランティアだと思っている人が多い。だから何でもかんでも頼んでくるんです。農作業の手伝いから、病院への付き添い、役場の書類の記入まで。役場には休みもあるけど農家には休日はないので関係なく連絡してきます。ヘタすると家に上がり込んでくることも珍しくない。地元の人に受け入られるために手伝ってあげたいけど、体を壊したら元も子もないです」