ついに定まった一群の人々による「改憲への照準」――シリーズ【草の根保守の蠢動30回】
24条改正を叫ぶ高橋。あくまでも緊急事態条項にこだわる百地。――これは不思議な事ではないか。同じセクトの構成員ながら完全に意見が食い違っている。「一群の人々」は彼らが学生運動の闘士であった時代から、一致団結して様々な政治運動に従事してきた。本連載で振り返った元号法制化運動しかり、国旗国歌法しかり、男女共同参画事業反対しかり。彼らは常に団結していた。量的にだけでなく質的にも劣悪な人材を擁するしかない彼らにとって、団結だけが戦略的資源だったとも言える。にもかかわらず、高橋と百地の言うことが食い違っている。しかも彼らの長年の夢であった「憲法改正」と言う一大事を前にして主張が食い違っているのだ。
当然、彼らがこの食い違いを放置するはずがない。彼らの40年にわたる運動歴を振り返ると、こうした意見の相違は、必ず解消されてきた。問題は、意見の相違がどの方向で収斂するかだ。
『正論』4月号が発売された3月初頭から七か月。この間『正論』のみならず『WiLL』そして日本青年協議会の機関誌『祖国と青年』など、彼ら一群の人々が根城とする言論誌は、毎号毎号、改憲議論に言及し続けてきた。また、参院選以降は一般紙や一般月刊誌まで、改憲議論に関する論考を載せるようになった。そうした記事には高橋も百地も、数多く登場している。この七ヶ月間の高橋と百地の言説を観察し続けると、「意見の食い違い」が徐々に収斂されていることが見て取れる。
『日本会議の研究』 「右傾化」の淵源はどこなのか?「日本会議」とは何なのか? |
ハッシュタグ