プーチンはロシア帝国復活を狙うのか? ロシアが旧ソ連時代の海外基地復活を計画

photo Kremlin.ru(CC BY 4.0)

 ロシアはシリア紛争での優位に勢いをつけて、外国に軍事基地の建設を積極的に進める方針を打ち出した。  ソ連の時代から軍事基地としてシリアにもっていたタルトゥース港を常設軍事基地にすること以外に、ソ連の時代に保有していた外国の軍事基地の復活なども計画しているという。その建設計画にあがっているのは<エジプト、ソマリア、イエメン、エチオピア、ギネア、リビア、チュニジア、アンゴラ、そしてキューバとベトナムなど>である。(参照:『El Confidencial』)  タルトゥース港は1977年からソ連の海軍が利用し始めた基地で、ロシアが地中海に面して所有している唯一の基地である。ロシアがシリア紛争でアサド政権を見捨てない理由の一つが、この軍事基地があるからである。地政学的にロシアがNATO軍の動きを監視する意味で重要な拠点である。  次にエジプト、キューバ、ベトナムでの基地建設に関係した背景について触れて見よう。
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「地中海を抑える拠点」としてのエジプト
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