プーチンはロシア帝国復活を狙うのか? ロシアが旧ソ連時代の海外基地復活を計画

「地中海を抑える拠点」としてのエジプト

 エジプトについては、ナセル大統領の政権時のエジプトはソ連にとって中東における最も重要な国となっていた。しかし、ナセル大統領が心臓発作で亡くなり、軍人サダトが大統領に就任すると、当初は親ソを維持していたが、次第に方向転換を図り、嘗ての敵であったイスラエルと和平協定を結ぶまでになった。その影響でエジプトから多くのソ連の軍人が退去せざりを得なくなり、その多くがシリアに移動したのである。この外交の転換には、エジプトの財政危機とイスラエルとの戦争への疲れ、そして米国からの資金と武器などの支援を受ける為の条件としてイスラエルとの和平合意が条件となっていたという背景があった。  それ以後のエジプトは、ムバラク大統領の政権まで親米路線の外交を展開して行くのである。しかし、2011年にアラブの春が起きて、ムスリム同胞団に支援されたムルシーが大統領になると、米国はエジプトの民主化への動きに賛成して、オバマ政権はムルシー大統領を支援する路線を取った。そのため、ムルシー大統領を支えるムスリム同胞団の発展を望まないサウジアラビアなどが中心になって、シシ大統領を誕生させた。
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オバマの対エジプト外交が虎の子を起こす
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