「笑顔」の中にある本音がわかれば、効果的に叱ることが出来る
そして、「笑顔」の中にも、一瞬の表情変化、コントロールできない無意識の表情反応である微表情を発見することが出来れば、本当の感情がわかります。こうした状況のときよく観られる微表情は、嫌悪と軽蔑が多いように思われます。
嫌悪とは、鼻や鼻のまわりにしわが寄る表情です。私たちが何か臭いモノを嗅いだときにする表情です。
軽蔑とは、片方の口角がもう片方の口角よりも高く引き上げられる表情です。優越感に関連する感情です。
こうした相手の本当の感情がわかれば、「笑顔」の人を単にヘラヘラ笑っているとか、全然反省していない!と誤解し、相手を必要以上に叱ることもしなくなりますし、なぜ相手がそうした気持ちになっているのかを冷静に考えることも出来ます。
次に誰かを叱らなくてはいけないとき、もしくは叱られている人を目にするとき、叱られている人が笑顔だったなら、そこにどんな本音があるのか、注意して観察してみて下さい。意外な想いに気付くことが出来るかも知れません。
<文・清水建二/写真/
ぱくたそ>
株式会社空気を読むを科学する研究所代表取締役。1982年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、東京大学大学院でコミュニケーション学を学ぶ。学際情報学修士。 日本国内にいる数少ない認定FACS(Facial Action Coding System:顔面動作符号化システム)コーダーの一人。微表情読解に関する各種資格も保持している。20歳のときに巻き込まれた狂言誘拐事件をきっかけにウソや人の心の中に関心を持つ。現在、日本ではまだ浸透していない微表情・表情の魅力、実用例を広めるべく企業コンサルタント、微表情商品開発、セミナー等の活動をしている。また、政治家や芸能人の微表情を読んで心理分析するなど、メディア出演の実績も多数ある。著書に『
0.2秒のホンネ 微表情を見抜く技術』飛鳥新社がある。