「積極的武力攻撃」へと変質したPKOへの参加で自衛隊は大丈夫か!?

「資源はほしいが、現地の人道危機などは関係ない」では済まない

伊勢崎賢治氏。国連の任務で、東チモールやシェラレオネで活躍した実務家だ

 今年7月には大統領派と副大統領派の交戦の中で、中国軍のPKO隊員2人が死亡、5人が負傷するなど、現地情勢は依然として不安定だ。憲法やPKO協力法にも反する南スーダンの任務から、自衛隊を撤退させるべきなのではないか?  だが、伊勢崎氏は「ただ自衛隊を撤退させるだけというなら反対です」と言う。 「南スーダンの人々は助けを必要としていますし、国際社会にも『ルワンダの再来は絶対に避けなくてはならない』という強い合意があります。また、日本は南スーダンがあるアフリカ中部一帯から、原油やレアメタルなどの地下資源を得ています。 『資源はほしいが、現地の人道危機などは関係ない』では済まされません。日本人が議論すべきなのは『自衛隊を撤退させるか否か』ではなく、『自衛隊の代わりに”今”何をするか』です。これなしに、自衛隊は撤退できません」
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