「変な日本語提灯」で話題になったタイの居酒屋、仕掛け人の日本人を直撃!

タイ人、日本人の区別なく従業員は仲がよく、結束力がある。(清水氏のFacebookより)

 勤続3年以上の従業員に新店舗出店の際、最大10%出資できるようにしたことで、劇的な変化が起こる。モチベーションが上がり、新入社員も出資する先輩らを見て金を貯めようと努力をする。また、全店舗で40人いるスーパーマネージャーが、タイ人目線で意見を出してくれるようになったのだ。 「日本人にはわからない、タイ人の意見が聞けるようになった。それから、待遇も日本人タイ人、分け隔てなく平等にしていることで、タイ人から見れば待遇はいい。だから、今は離職率も低い。会社だけよくても、みんなで儲けた方が長続きすることがわかった」

「入ってきたスタッフの得意分野を始める」

魚介類、肉類など、従業員それぞれの得意分野を担当させることで、鮮度のいい食材を仕入れることができる

 しゃかりきグループにはタイ国内に日本人従業員が14人いる。そのうちの何人かはしゃかりき日本時代の常連だ。そして、彼らのスキルやノウハウもあってこそタイのしゃかりきグループは成長した。 「日本人スタッフのノウハウで、例えば肉とか魚を知っている人が入社すれば新メニューとしてそれを始める。それぞれの従業員が得意な分野を始める、的なノリ」  と清水氏は笑う。タイ東部のリゾート地であり、タイ随一の歓楽街でもあるパタヤに出店したのもパタヤに住みたい人を雇ったことが理由だった。むしろそれ以外に理由はない。  もちろん、「ノリ」だけでは特に失敗もある。 「ミャンマーは日本人スタッフは誰も行きたがらなくて、日本人がゼロ。それに州ごとに検問があって、互いに仲が悪い。ひとつ検問を通っても次で引っかかる。トラックごと燃やされたこともあるとかしんどいことが多い」
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次なる狙いは「日本」
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