「変な日本語提灯」で話題になったタイの居酒屋、仕掛け人の日本人を直撃!

 6店舗まで順調に店舗を増やしていたが、限界も感じた。というより、勢いのあった清水氏には恐らく日本は狭かったのかもしれない。 「日本だと従業員が日本人だからすべてが見えてしまう。どこかで遊んでいると、社長のくせになんだって言われる。SNSも気軽に投稿できない。タイは社長は社長だからとあまり言われないが、日本では社長も従業員も一緒だというの目線があった。6店舗くらいの小さい店なら一緒に汗流している社長のほうが合う」  清水氏は「これ以上は伸びない。売上のあるうちに店は売ってまおう」と考え、当時の店長や弟に300~400万円で安めに売ってしまった。現在、日本で「しゃかりき432゛」を名乗るのは2軒だけになっている。 「全部清算して、そのときのカネを全部持ってタイに来た。腐ってた。あれ以上自分でやっていたら絶対にダメになってた」

即決した「いわくつき物件」から始めて17店舗の一大チェーンへ

しゃかりきグループはこの看板とモアイが目印だ

 バンコクにやってきて、最初に見た物件で即決した。日系企業も多い、スクムビット通りアソークにあるビルの地下。この物件はいわく付きというか、以前から入る店入る店が次々と閉店していっていた。そのため、在住日本人は当初冷ややかな目で清水氏を見ていたかもしれない。  清水氏も最初からそのあたりは承知していたが、店内が正方形であったことと、エリア的に考えても破格の家賃だったことから理想的で即決した。鼻が利くと自負する通り、進出から4年経った今でも元気に営業しているし、撤退していく隣の店もすべて借り、今ではその地下の店はすべてグループ店になっている。  そして2016年9月現在、タイ国内のみで17店舗にもなった。居酒屋のほかに焼肉やラーメン、寿司、お好み焼きなどの専門店もある。しかし、当初はここまで大きくなるとも思っていなかったそうだ。そこで新たな仕組みを考案した。少なくともタイでこれをやっている飲食店はほかで聞いたことがない。 「日本で仕組み作りに失敗したので、タイでは分配制にしてみた。勤続3年以上の従業員に新店舗出店の際、最大10%出資できるようにした。半月に1回、純利益の1%を受け取れる約束になっている」
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タイ人従業員の意識が変わった!
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