スペースXの「ファルコン9」ロケット、試験中に爆発、人工衛星・発射台は壊滅。今後の影響は?

搭載していたイスラエルの通信衛星は全損

今回の事故で失われた通信衛星「アモス6」の想像図 Photo by Spacecom

 今回事故を起こしたファルコン9の先端には、イスラエルの衛星通信企業スペースコムの通信衛星「アモス6」が搭載されていた。アモス6はロケットの炎上後に脱落し、地上で爆発し、全損となった。  アモス6はスペースコムが欧州や中東、アフリカを対象にした衛星通信サービスに使用するほか、衛星の機能の一部は、フランスの衛星通信会社ユーテルサットとSNS大手のfacebookが借用し、サービス展開をする予定にもなっていた。  衛星の製造は、イスラエルの大手航空宇宙メーカーであるイスラエル・エアロスペース・インダストリーズ(IAI)が手がけた。設計寿命は16年、質量5500kgほどの大型の衛星で、イスラエルにとって最大の人工衛星でもあった。  衛星の開発費は約2億ドル(約206億円)とされる。人工衛星には、ロケットの打ち上げ失敗時に備えた保険が用意されており、アモス6も掛けていたはずだが、今回は打ち上げ前の段階での事故のためどの程度適用されるかは、9月2日朝の時点では不明となっている。  今回の事故を受け、衛星の機能の一部を利用する予定だったfacebookのマーク・ザッカーバーグCEOは、「今回の事故によって私たちの衛星が失われたと聞き、深く失望をしています。幸いにも、私たちには代替手段となる技術をもっています。すべての人々をインターネットでつなぐという目的に向け、そしてこの衛星が提供するはずだった機能を皆さんが享受できるようになるまで、私たちは働き続けます」との声明を発表している。
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スペースXの今後の計画への影響
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