スペースXの「ファルコン9」ロケット、試験中に爆発、人工衛星・発射台は壊滅。今後の影響は?

爆発の原因はいまだ不明のまま

過去に別の機体で行われたスタティック・ファイア・テストの様子。各種試験の締めくくりとして、ロケットを地上に固定した状態でエンジンを数秒間だけ噴射する Photo by SpaceX

 9月2日朝までの時点で、事故の原因はわかっていない。公開されている映像を見る限りでは、ロケット側が原因であるとも、あるいは発射台の設備側が原因であったとも考えられる。今後の調査と対策や、破壊された発射台の修理には数か月かかるとみられ、同社の今後の予定に大きな影響が出ることは間違いない。  スペースXや、同発射台周辺の一帯を管轄する米空軍などによると、この事故によるけが人はなくという。また、事故の起きたケイプ・カナヴェラル空軍ステーションや、隣接する米国航空宇宙局(NASA)のケネディ宇宙センターには、他のロケットの発射台や組み立て施設などがあるが、それらへの影響も今のところは出ていないとしている。  今回の試験は、ロケットにすでに人工衛星を載せた状態で行われていたためこの事故によって失われることになった。以前は、スタティック・ファイア・テストの際には人工衛星を搭載しないこともあったが、打ち上げにかかる準備期間を短縮するためか、2014年ごろから衛星を載せた状態で行われるようになっていた。
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搭載していたイスラエルの通信衛星は全損
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