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EUの存続に疑問を投げかけるテーマは尽きることがない。経済構造、生活レベル、国民気質などが異なる28か国がひとつの共同市場を形成すること自体に無理がある。このことからEU存続への不信感は止むことがない。Brexitの国民投票の結果が判明して、英国がEUから離脱することが明白となった。次は「Italexit」に関係したテーマが市場を埋めそうだ。「Italexit」、そう、イタリアのユーロ離脱の可能性がヨーロッパでは問われ始めているのだ。
イタリアがEUからの離脱を決め、ユーロ通貨を使用しなくなると、それは英国の離脱を遥かに凌ぐ深刻な問題に発展する。特に、イタリアはEUの中で最大の負債国でもある。
Italexitが話題になりつつあるその発端は、長引くイタリア経済の低迷と銀行危機に加え、今年11月に上院の改正を問う国民投票が予定されているからだ。「この国民投票に私の政治生命を賭ける」と言明して意気込んでいるレンツィ首相に対し、この投票を内閣不信任を伝える手段に利用しようとしているのがポピュリズム政党「五つの星運動(M5S)」である。2009年に創設されたM5Sは、この国民投票に反対票を入れて勝利して、その次にユーロからの離脱を問う国民投票の実施を計画している。