更に、イタリア経済の今後を難しくさせているのが負債である。その額は2兆2000億ユーロ(242兆円)で、GDPの135%にまでなっている。(参照「
Cinco Dias」)
それに、銀行危機がさらなる拍車をかける。EUで一番多くの不良債権を抱えているのはイタリアで、その額は3600億ユーロ(40兆円)。しかも、その中の2100億ユーロ(23兆円)はほぼ回収不能と判断されているという。
特に、その中でも話題になっているのが、世界最古の銀行モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(モンテ・パスキ銀行)の経営不振である。その救済に、レンツィー首相は公的資金(ベイル・アウト)を充てたいとしているが、それがEUでは禁止されている。その為に同銀行株主、債券保有者、大口預金者などの資金を充てる形(ベイル・イン)での救援を迫られているが、まだ未決定である。レンツィー首相はEU委員会らに寛大な協力を要請している。
失業問題もまた重要な課題としてある。失業率は11%であるが、24歳までの若者の失業率は30%である。