杜の都・仙台で激しい競争に晒される「旧型イオン大型店」は生き残れるか?

老朽化した「イオン系ファッションビル」

 こういった仙台駅前での相次ぐファッションビルの開業により大きな影響を受けると考えられる店舗が、仙台駅から徒歩10分ほど離れた仙台市のもう1つの中心商業地・中心商店街エリアにある大型ファッションビル「イオン仙台フォーラス」だ。

ファッションビル「イオン仙台フォーラス」。こちらは中心商店街に立地

「イオン仙台フォーラス」は、1975年5月に開業した「ジャスコ仙台店」を1984年にファッションビルに改装した店舗で、仙台市の中心商店街の1つである「一番町商店街」に立地する。売場面積は14,455㎡。  イオンフォーラスとしては唯一100万都市に立地しており、フォーラスの「旗艦店」ではあるものの、ファッションビルとしては老朽化が否めず、東日本大震災の際には店舗が一部損傷。さらに、有力テナントが駅前のパルコに移転するなど若干苦戦を強いられつつあったものの、近年は東北で唯一となるゴシックロリータの大型専門ショップ導入や、屋上ビアガーデンの開始、人気アニメ「ラブライブ!」とのコラボ店舗を期間限定で開設するなど、駅前のファッションビルとは一線を画した経営戦略で、幅広い世代から一定の支持を集めている。  実は、イオンフォーラスの運営会社は今年3月にダイエー系ファッションビル「オーパ」と経営統合したばかり。  オーパは関西エリアで絶大な人気を誇るファッションビルで、今後は都市部に強い「オーパ流」と、ショッピングセンター経営で培った「イオン流」の運営手法が融合するかたちでの、新たな店舗活性化策や個性的な新規テナントの導入を行い、仙台駅前の新しい商業施設に負けないような魅力を生み出すことで固定客となる「フォーラスファン」を増やしていくことができるかが大きな課題となろう。
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駅前ライバル店とイオン新店との板挟み
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